「お前では俺を斃すことはできない。永遠の力の前では、団堂も、袴田も無力な存在と化すのだ」「くそ、これで終われるものか」団堂は、めげることなく乱切りを繰り返す。しかし、機械的に再生が働くアポカリプスの力を前に、団堂のほうが疲れてきてしまうのだ。「さて、もう気は済んだだろう。次は、いよいよ私の番だ」
アニミストによって破壊された身体が、まだ十分に再生されていないアポカリプスは、パン生地をこねてつくったような人型をしていた。そしてその両腕から、白い光の剣と黒い闇の剣が真直ぐに伸びる。まるでサーチライトのようなふたつの剣は、それぞれアニミストを照らすと、その通過点を切り刻んでいくのだ。「何???」
光のようにあまりに短い瞬間で、団堂も何がおこったのかわからない。しかし、攻撃を受けてから数秒経過して、アニミストが異常を訴えたことにより、ようやく攻撃を受けたことを認識する。「こんなものではない??」予想外の出来事に狼狽する団堂の隙をついて、アポカリプスが近接する。そして、両手から延々と伸びる白く細い光と黒く細い闇とを合成して、カオスを生み出す。両者が結合するエネルギーは、団堂の心を引きずり込むほどに大きいものであり、そのカオスに触れたが最後、生きてはいられないと思わずにはいられないほどだ。
「さようなら、団堂!!」サードが咆えた瞬間、そのカオスは固形へと形質を変化させ、直ちに剣を形作る。それは、本体であるアポカリプスと同じ、クリーム色をした棒のような物体であり、オーガの筋肉を断ち切るほどの能力があるとは思えない。しかし、それはあくまで物理法則までの話だ。外法としての能力は未知数。そこに仕組まれた外法法則がいったい何なのか。一撃をもらえばそれでゲームエンドの可能性もある。アポカリプスはそれほどまでにおそろしい剣を持っている。
(避けられない???)その正体不明のカオスの存在を認識するだけで精一杯であった団堂は、アポカリプスの攻撃を回避する余裕はない。まちがいなく、その一撃をもらうことになる。だから、団堂の背筋はゾッとしていた。関連記事: