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2013年(13)

我的朋友

分类: HADOOP

2013-05-02 21:18:46


「あかつきせんせいのー」「いのうかがくろんこうざー!」 わーっ!という歓声と共に、安っぽいラジカセから軽妙な音楽が流れ始める。

 ちゃんちゃかちゃー、とラジカセが音を吐き出すのをBGMに、ホワイトボードの裏から白衣を着た暁がなんか笑顔で姿を現した。

「やあみんな! 暁先生の異能科学論講座にようこそ!」 しかも笑顔のままそんなことをのたまう暁。根本的におかしかった。しかしおかしいのは暁だけではない。

 その両脇に控える美咲とつぼみも相当おかしい。 どちらも黄色い園児坊に、青色のスモックを着ている。もちろん下に制服を着てはいるが、サイズが合わないせいで妙な背徳感が醸し出されている。

「ほんとに幽霊なんているのー?」「ああ、いるとも! 異能科学論は、魂の存在を証明する学問! 皆が異能を学べるようになったのと同じように、幽霊の存在も証明してしまったんだよ!」「……ハウッ」 暁の言葉に瀕死寸前のリリィ。 一人の少女が危篤状態に陥りかけているが、それすら構わず暁は言葉を続けた。「みんなの中にもある魂。それが異能の力を使うための原動力なんだけれど、幽霊はその魂がひとりでに動いている状態を差すんだ! 原因はいろいろあるけど、一番多い原因は、人間が若くして死んじゃった場合かな! 普通に天寿を全うした場合は、魂は残らず消耗されると言われているよ!」 が、残念なことにここにそれらの事にツッコミを入れられる人物はいなかった。 いるのは事の次第についてこれないメアリーと啓太。そして逃げ出さないように椅子に縛り付けられたリリィの三人だけだった。ちなみに会長はホワイトボードの裏で、黒子のマスクをかぶって待機している。高級腕時計 こうして観客先の三人を置いてけぼりに、暁先生の異能科学論講座は一方的に始まってしまった。「ねーせんせー! 異能科学論が発達したこのご時世に、幽霊なんて超非科学的な存在はいないよねー!」「そうです幽霊なんていないんです、いるとしたら頭のおかしい浮浪者位なんです」 美咲の質問に同調するように、リリィが虚ろな眼差しでぶつぶつと呟いている。 だが、暁はそんなリリィの希望をバッサリ切り捨てる。「いいや、残念ながら幽霊はいるんだなぁ」「えー、ほんとにー?」 つぼみがどこまでも棒読みな口調で事の真偽を疑う。「幽霊なんていないって、おとーさんもおかーさんもいってたよー」関連記事:
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