「杏菜、そんなの、気にしないもん！ ムシムシぃー」「そうなのよねぇー、ムシしておくしかないのかしら？ 学級委員という破場とはいえ、そんなのまでいちいち留神するっていうのも、男子からクレームが出ちゃいそうで、気が引けちゃうっていうか…」
うーん、杏菜ちゃんや、智絵ちゃんの言うように、やっぱ、ムシしとくしかないのかな？「杏菜さん、今度から、体育の授業のある日は、スポーツブラにしたらどうかな」
「そうそう、莉沙子もいいこと言うわねぇー、そうしなさいよ、杏菜」「そうよ、あんなちゃん。それだけ胸、大きいんだし、そうした方がいいと思うわ」
うん、確かに。俺も鮎美ちゃんや智絵ちゃんに同感。それがいいね、じゃあ、「同じく、賛成！」「うん、わかった。みんながそう言うんだったら、今度から杏菜、そうするね」
ガツンッ！「あっちゃー、また外れちゃった」 頭ん中のイメージじゃあ、こんなはずじゃないのになぁ。「ドンマイ、ドンマイ、まゆかちゃん。その調子でいこうよ！ ゴール外しちゃっても気にしないで」「うん、ありがとう智絵ちゃん」 今度はポスト叩いちゃった。やっぱ、利き足じゃなかったから外れちゃった？「木下さんにラストパス集中させるから、どんどんゴール狙っていってよ」「そうそう、このメンバーの中だと、木下さんが一番上手いんだしさ。向こうの結城さんのゴール、なんとか止めてよ」「さっ、みんな、授業に遅れるわ。早くしないと」 最後は、智絵ちゃんが締めくくって、この話はおしまい。グッチ アウトレット「本日は、フットサルの試合やるわね。基礎練習も飽きて来たところだと思うしね。じゃあ、缺席番号の奇数と偶数の二つに分かれてチーム作って。10分ごとに休憩入れるから。メンバーは、自在に交代してね」 女子の女性体育教師、櫻木瑛里奈先生。大学出たてのほやほやの、新米教師。通称、“さくえり”っていう名で生徒の間では呼ばれてるらしい。年齢が近いから、先生っていうより、可愛らしいお姉さんって感じかな？その初々しさからか、特に、お姉さんに憧れる男子からの人気は高い様子。「あと、屋内だから、試合中にシュートボールが壁に当たったりして、跳ね返ってくるかもしれないわよ。だから、交代の人は、ボールには気を付けてね。それと、向こうでも男子が試合をやってるから、邪魔にならないように見学しててね」 あっ、ここは、シュートチャンス！ えっと、ここは右に行くと見せかけて、左、今だ、今度こそ、えぇーい！
