「…君に名乗る必要なんて無いだろう」そう、何故僕が泥棒に名乗らなければならないんだ。
「俺だって名前教えたんだからあんたも教えなきゃダメなんだぞ!」「君は小学生か」ダメなんだぞ!と言われても…
まるで先生にケンカしたら謝らなきゃいけませんって言われて、謝って相手にも謝らせようとしてる小学生だな。
と、心のなかで悪態をついてみる。小学生と言われて拗ねてる彼を毛布ごと床に落として、ベッドに横になった。
「おはようじゃない!何故君が僕の隣で寝ているんだ!…おはよう」「眠かったし…あ、でも窓はちゃんと閉めたよ!」眼を擦りながら窓を指差した。…寝る前に聴いた音は出ていったんじゃなかったのか。とりあえずこいつ、どうしよう。このままこの部屋に居られると困る。「君はいつ帰るんだ」「わかんな…」「わからないとは言わせないぞ」僕の気迫に負けたのか「もう少ししたら帰るよ」と言った。意外に素直なんだな、と言い感心した。その後にまた来るけどとか余計な言葉を聞いた気がしたからスルーした。「じゃあ、そろっと行くわ」と僕に言い窓を開けた。「ああ。久しぶりに僕に敬語を使わない人と話せて楽しかったよ。ありがとう」彼は目を泳がせながら、おう。とだけ答えた。「次会うときまで元気でな!」「君もな」「それと、『君』って呼ぶの止めろよ。律でいいよ」頭を掻きながら恥ずかしそうに言った。「そうか。じゃあな、律」「ん。またな」律は手を振って窓から降りた。外は夕日が沈みかけて暗くなりつつあった。「とにかく、僕は寝るんだ。早く出ていってくれ」冷たく言い放つと、暫く沈黙になり布団を掛けられた。tory burch 店舗「…?」「おやすみ」彼は優しい声で言った。「…おやすみ」少し恥ずかしくて小さい声で返事を返した。足音が遠ざかり、パタンと窓が閉まる音がした。僕は眠りについた。夕方、僕は起きた。夕日が僕の顔を照らし、眩しさに眼を細めた。体を起こそうとふと、横を見た。「……っ」あいつが僕の隣で寝ていた。何でまだいるんだ!?しかも何故隣で寝ている!?完整にパニック状態になっている僕の気持ちも知らずにそいつは起きた。「…ん、おはよう」