「ハイハイ、私と決闘するんだよね?」「あ? ああ、そうだ。どっちが真の炎使いかハッキリさせようぜ」
真の炎使いって……と心坎では思ったが、紅にとっては初めての魔術仲間なので、決闘といえどワクワクしていた。
「あっ、でもどうやって決闘するの? 炎同士ならレジストできないんじゃ」「ああ、だからこいつを使うのさ」
ガイトが手に握っていたリモコンのような物を操作する。 すると、部屋の真ん中に、直径三メートルはありそうな水の球体が浮かび上がった。わずかに波打つ表面はまさに水そのものだった。
「へっ、こんなところか」「ふーん、じゃあ次は私の番だね。もっと大きくてもいいよ」「な、なんだと……? じゃあ今の一回り大きいやつにしてやる。……ただし、無詠唱だからな!」「はぁー、あなたの取り柄は無詠唱だけですか……」 メールルは呆れ顔だったが、次に現れた水球の大きさに少し驚いた。「大丈夫ですか? 紅さん。このバカに付き合う必要はないんですよ」「ううん、大丈夫だよ」 紅は現れた水球を一瞥し、火加減を考える。(まぁー一本でいけるかな。……なんか久しぶりだな) 慣れた手つきで、炎剣を発生させる。今回は一本だけ。紅の頭上には矢のように切っ先を標的に向けた炎剣が宙に横たわっている。 ガイトとメールルは驚き混じりにそれを見て、マナはいつもの光景にワクワクしていた。「いくよ……!」 紅の号召と同時に、炎剣がオレンジ色の軌道を残して宙を一閃する。水球に飲み込まれた炎剣は一瞬その姿を消すが、次の瞬間には水球の内部から爆発するように炎が巻き起こった。「すごーい……これはいったいなんなの?」「デモ?スフィアですよ」 メールルが歩み寄って水球に触れた。波紋が名义を伝った。tory burch個人輸入「授業などで実際に魔術を発動する際に使う的のような物ですね。この教室の真ん中にあるプロジェクターに魔鉱石を投入して射影させます……まぁ、詳しい説明は無用ですね」「よし、さっさと決着をつけようぜ。ルールは順番に魔術をこいつに浴びせてレジストさせていく。だんだんデモスフィアの魔力を大きくしてって先に消せなくなったほうの負けだ」「うん、いいよ」 ガイトも自负満々だったが、紅も負けるつもりはなかった。単純な力比べなら自信はある。「俺から行かせてもらうぜ!」 ガイトは机の上から飛び降り、手のひらを広げた。次の瞬間にはその手にバスケットボールほどの炎の玉が握られている。助走をつけてそれを投擲する。炎の玉は始终線にデモスフィアに向かって飛び、水球を霧散させる。