俺はある朝突然に
がしゃん、がらがらと大きな音。俺の身体と自転車は空中に吹っ飛ばされた。 高校へ向かっているとき、正面から突っ込んで来たトラックにはねられたのだ。始めは今までに経験したことのないような痛みが襲ってきた。が、だんだんと痛みはなくなっていった。そして、それとともに意識も無くなっていった。
俺はなにやら薄気味悪い部屋で寝ているのに気がついた。ここはどこだ? あきらかに病院ではない。もしかして霊安室か? でも俺にはこうやってちゃんと意識もあるし、身体だって動かせる。
身体の痛みはない。が、なにやらいつもと感覚がおかしい。 あと、目の前にちらちらと肌色の物体が見える。視線を自分の身体に移すと、胸に二つのでっかいふくらみがある。
ん? まさか。いやいやいや。そんなことありえないし。たぶん腫瘍とかそんなんだろ。事故に遇って胸を打ったんだよ。きっとそうに違いない。
黒のビキニのボトムスには丘陵地帯がなく、なだらかな平野が広がっているだけだった。 そんな。ひどい。この状況は何? ファンタジー? SF? とにかくここはどこよ? とりあえず現状を正確に把握しなければならない。俺はベッド(というか石の台のようなもの)から起き上がった。 周囲はすべて灰色の石造りだった。ところどころ黒ずんでいたり、苔が生えたりしている。扉は一か所。金属製のごっつい扉だ。扉と反対側の壁には小さ窓が空いているが、そこには鉄格子がはめられている。まるで監獄みたい。 俺は確かめるべく、そのゴムボールのような胸のふくらみに手を当ててみた。 柔らかい。ああ、柔らかい。これ完全におっぱいだわ。間違いないわ。しかもなんだか黒くてエロっぽいビキニに包まれてるし。キャスキッドソン アクセサリー いや、ありえないし。なんで男の俺にこんな夢のふくらみがついてんだよ。事故って気絶している間に勝手に性転換手術でもさせられたの? たしか患者の取り違えでそんなことが起こったよって小説があったような気がする。まさかそんな。 ってことはだよ、アレもないってことだよな。 俺は恐る恐る右足と左足がちょうど交わるところに手を当ててみた。「ひゃあ!!!」 思わず声が出てしまった。しかも甲高い女の声なんだけど。でもそれは今は脇に置いておこう。今大事なことは、下腹部に手を当ててみてもなんのひっかかりもなかったということだ。無い。なんにもない。 俺は下腹部を見ようとしたが、おっぱいが邪魔で横になったままだとうまく見ることができない。俺は仕方なく半身を起こした。関連している文章:
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