「”SDFキラー”だと……」「知ってるんですか、渡瀬2尉」 岡田がクルツの弾倉(マガジン)を交換しながら問うた。
「ああ、全国を回って、FDTに加担している高校生だ。噂では、100人以上のSDF隊員を病院送りにしたとか」
「100人？ とんでもない敵ですねぇ」「そうだな。……おいおい、なんか敵の銃撃が強烈すぎないか？」
さっきから、こちらに向けた銃撃が途絶えない。「だめだ、2階に後退する」「了解！」 2人はクルツを射撃しながら、階段を上った。渡瀬は無線に吹き込んだ。
「了解！」 孝と葵は、3階の廊下の突き当たりに向かった。そこから、裏門を狙える。「ブラボー3、敵を視認。これより攻撃に入る」『ブラボー0了解』 葵はすでに、M24SWSを窓から突き出して構えている。孝もその隣で、M4を構えた。裏門を見下ろす位置だ。 裏門から、学校敷地内に侵入してくるFDT隊員たちが見える。数は、10人程度。 先に撃ったのは、葵だった。 最も校舎に近づいていたFDT隊員が足を狙撃され、昏倒する。こちらに気づいた仲間が撃ってきた。 孝は一度身を隠してから、M4を照準した。 孝はさらに、威嚇の弾幕を張り続けた。 M4のマガジン装弾数は30発。フルオートで撃てば、驚くほど早く弾切れになる。「装填！」 マガジンを交換している間は、葵のM24が発する音しか聞こえなくなる。銃が発砲と同時に次弾の装填をしてくれる自動小銃とは違い、ボルトアクション方式の狙撃銃であるM24は、発砲するごとに手でボルトを引く必要がある。「渡瀬よりSST室。敵は多勢、クルツじゃもたない、M4で来てくれ」『こちら三沢、了解。あたしたちが行くまで持ち応えてよ！』バリーメンズ財布「ああ。任せろ」 無線を切り、階段を上ろうとしたFDT隊員に上から銃撃を浴びせた。その隊員は腕と足に弾を受け、仲間に引きずられて後退していった。エジェクトされた空薬莢が、階段を転げ落ちていく。「なかなかやるじゃねえか！ SSTか？」 1階から、敵の声が聞こえた。「てめえ、”SDFキラー”か！？」 岡田が叫んだ。「おう！ ジャック?バウアーだ」 渡瀬と岡田は顔を見合わせた。「外人？」 渡瀬からの連絡を受け、孝たちは武器庫からM4A1自動小銃(アサルトライフル)を持ち出した。 戦闘装備を整えたSST隊員たちに、さっきまで仮眠を取っていた結城が指示を出す。「敵は、正面、グラウンド、裏門に展開している。おれと佐伯はグラウンド、緒方と中原は裏門、三沢は渡瀬たちの援護に向かってくれ」関連している文章：
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