葉月が楽しめること、始めにメフィと名乗る女が言ったこと、少しずつピースが揃っていく。『その計画の名は楽園計画。人と魔物の共存する世界の創造。…旧創造神が作った魔物達はその特異性故に平和になった異世界の中で居場所を無くしていた。だが、作り出されたモノに罪は無い。だから、俺達はまだ出来て間もないこの世界に魔物達を移し、人と魔物の共存する理想郷を作ろうとした。』
「………」『けれど、魔物達も住める世界に世界全体を構成し、共に暮らす人類を創ろうとした時、私達は一度挫折することになる。………何故なら私達、ううん、どの世界の人類達も、魔物と共存する概念を持っていなかったから』 魔物と共存する。それはどのようなことなのか、確かに葉月にもイメージを湧かせることは出来なかった。 例えば、犬や猫や兎と生きるというのはイメージは出来る。だが、仮に魔物がライオンや熊なら、共に生きるより、まず命の心配をしてしまうだろう。
『さらに魔物達にも同じように問題があった。旧創造神が創りだした魔物達にはただ暴れるという概念しかなく、自我を確立できたのは少数だった。そのため、旧創造神の狂気、怨念が空っぽの魔物達に移り、結果的に凶暴化してしまったのだ。……そして、その取り付いた怨念は手間がかかることに俺達の手で直接手を下そうとすると活性化し、より強く蠢き拡散するという性質を持っており、俺達は第三者に浄化を頼むしかなかった』
「………」『そんな人間と魔物の二つの問題に手詰まりに陥った状態の私達は試行錯誤の末、発想を変えることを見いだした。……すなわち、始めから魔物と生活するのを当然と思い、浄化の道具を持たせた魔物達と人間が協力して凶暴化した魔物達を倒し、強くなっていく。そんなゲームのような世界、いや、むしろ、元の世界のゲームで溢れかえっている設定を参考にすればよいと』
「まさかそれが…」 葉月の声に驚きの感情が含まれる。『…ならば人間が動かすゲームのキャラクターをそのままこの世界に反映、フィードバックをするシステムを作り、世界を構成して行けばよい。そういった考えが生まれ、貴方達の世界でこの世界と全く同じ世界を画面に映すゲームが作られる。それがーー』関連している文章:
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