しかし、やはりもっとも需要が大きいのは、顧客探索難易度が高い領域です。具体的には、いつ顧客がそれを思いつくかわからない領域がそれに当たるでしょう。例えば、新卒採用などは大学4年生のある時期になれば確実に始まることなわけで、ある意味では簡単な領域と言えます。一方で非常に難しいのが、転職活動です。いつ思いつくのかが、バラバラだからです。
これについては、現在ではGoogleが存在しているので、検索エンジンに欲望を示す言葉を入力した瞬間、つまり検索結果に狙いをつければ、しっかりと拾えるようになっています。ただし、この時点では既に競合がひしめき合ってますから、重要なのはさらにその手前で獲っていくことです。例えば、会社員が夜の帰り道に電車で揺られながらため息を吐いているとき、ふと目をやると転職の広告がある――こういうふうに言語化する以前の段階から、その欲望を拾い上げてしまうのが大事なのです。
ここまで、リクルートの強みを見てきました。皆さんが真似できる点が多々あったのではないかと思います。しかし、こうしたリクルートの事業はインターネット時代に入って、大きく形を変え始めています。