「大事な会議中に眠るとかいい根性してるわよね、つくづく……」「だからってしこたま殴るこたぁねぇだろうが……」
ようやっと会議が終わり、快適な眠りを噛みしめていた俺を起こしたのは、真子の強烈な右ストレートだった。
混沌言語(カオス?ワード)あたりで強化されてんのか、頬骨が砕けるほど痛かった……。「授業中とかもそうだったけど、長い話になるとすぐ寝るよね、隆司……」
「元々俺の頭は難しいこと考えられねぇ様にできてるんだよ」 呆れ顔の光太にドヤ顔で開き直ってやると、追加でため息をつかれた。
「というと?」「一番怖いのは、王国に対する貴族たちの不信ね」 俺が促すと、真子は首を横に振って見せる。「この国、貴族領からやってくる貿易品……っていうのは正しくないと思うけど、ともあれ交易の品で基本的に成り立ってるからね……。貴族たちが王族を信用しなくなって、そこを断たれると今度は国民たちに不満が溜まっちゃうわ」「そうなると、後は芋づる式にこの国が崩壊しちゃうよね……」「うん……」 真子の言葉に同意するように光太と礼美も真剣な表情で頷く。 そんな三人を見て、俺は首を横に振った。「……そこまで深刻になるようなことか? いや、いろいろものがなくなったら困ると思うが」「……あんたねぇ。誰もが肉だけ喰って生きてるわけじゃないのよ?」 心底呆れたという風に、俺を睨みつける真子。 たぶん、俺がハンターズギルドに所属しているから、食料には困らないといいたいと思ってるんだろう。 だが、俺が言いたいのはそこじゃねぇんだよな。 とはいえ、これは半分くらい本当のことだ。難しいことを考え過ぎてドツボにはまってたわけだからな……。グッチ 財布 二つ折り 俺が深く考えるべき事柄は一つ……。いかにして嫁を口説き落とすことだけさ……。「いい加減、頭骨開いて脳みそかき回すわよ?」「今のお前だとリアルで出来そうだからやめてくれ」 どこからともなくスプーンまで取り出して凄む真子に平伏する。っていうか、どっから出したそのスプーン。「ったく……。ただでさえ、アホ貴族の反乱で頭が痛いのに……」「うん……。これから、どうなるんだろうね、真子ちゃん……」 ずっと不安げに顔を俯けていた礼美の言葉に、真子は真剣な表情で考える。「……まあ、フォルクス公爵の反乱自体を収めるのは簡単よ。でも、その過程や結果如何では、アメリア王国そのものに亀裂が入っちゃうかもしれないわ……」関連している文章:
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