分类: 其他平台
2015-04-15 13:58:56
次に、これらのエンハンサーやスーパーエンハンサーが発現を制御している可能性のある約200遺伝子の発現を、ES細胞とiPS細胞で比較しました。その結果、ES細胞での発現量がiPS細胞の2倍以上となっている遺伝子が多く、エンハンサー量の違いが遺伝子発現に大きな影響を及ぼしていることが確認できました。発現量の差の大きい遺伝子には、多能性関連遺伝子(Klf2、Cited2)とともに、機能未知のが含まれており、lncRNAがスーパーエンハンサーの制御を通して多能性に関与していることも強
今回、ES細胞とiPS細胞の間には、ncRNAの転写量や種類に大きな違いがあることが分かりました。これは、ES細胞では活性化されているエンハンサーなどの遺伝子制御部位が、iPS細胞では適切に誘導されていないことを示します。このため幹細胞性の制御に関与する遺伝子やlncRNAの発現が十分に起こらず、iPS細胞がES細胞と同一の性質を持つに至っていない理由の1つと考えられます。iPS細胞で発現するncRNAの重要性を示した今回の成果は、さまざまなiPS細胞を適切に評価する方法の開発やiPS細胞作製技術の改良への貢献が期待できます。